頸動脈狭窄症 ステント治療
内頸動脈狭窄症
私たちの頸部で拍動を触知することができる総頸動脈は、ほぼ顎の高さで内頸動脈と外頚頸脈に分かれます。このうち内頸動脈は大脳の大部分に血液を送る重要な血管です。また、その総頸動脈から分岐直後の血管壁は動脈硬化性プラーク(沈着したコレステロールの塊)の好発部位としてよく知られています。
このプラークが成長し、血管内に狭窄を形成するようになると、狭窄部に血液の乱流が生じて血管内皮(血管の拡張・収縮の調整や血液の凝固を防ぐ役割があります)が障害を起こし、血液が凝固して血栓の生成を促す可能性があります。これによりできた血栓が遊離してより末梢の脳血管に詰まってしまうとそこで脳梗塞を生じることになります。
頸動脈ステント留置術とは
頸動脈ステント留置術はこの狭窄を来した血管内にステントを留置して狭窄血管の拡張を行い、血流の改善と血栓形成の予防を図り、ひいては脳梗塞の発生や再発を予防する目的で行います。すでに脳梗塞を起こした方で同側に狭窄を有する方、無症状であっても高度狭窄がある方が治療の対象となります。
体への負担が少ない治療
治療に先立ち、抗血小板剤(血液サラサラの薬)を1週間前から服用開始します。
手術は当院では原則として全身麻酔で行います。足の付け根、あるいは手首の動脈を穿刺しカテーテルを導入し、対象血管に誘導し病変手前で留置します。その後、このカテーテルを介して末梢防護用のフィルター付きワイヤーを病変を超えて末梢で展開し、その後の術中塞栓症に備えます。このワイヤーを通してバルーンを用いた前拡張、ステント留置、後拡張を行います。多くの場合、麻酔の導入、覚醒時間を含めて1時間以内に手技は終了します。
従来から行われていた頸動脈内膜剥離術と比較して低侵襲であり、高齢者や合併症のある患者さんにも選択可能で、術後の臥床期間や入院期間も短縮可能です。
