血管分岐部の瘤に適した最先端の医療機器
Woven EndoBridgeデバイス(ウーブン・エンドブリッジデバイス、略称:WEB/ウェブ)は、脳動脈瘤の血管内治療で使用される、細かい網目の袋状になった治療機器です。ニッケルチタン製の形状記憶合金でつくられ、柔軟性と拡張力にすぐれています。
太ももの付け根から動脈内にマイクロカテーテル(チューブ)を挿入し、大動脈を経由して脳内に到達させて手術をおこないます。脳動脈瘤の中へWEBを押し出すとただちに膨らんで血液が流れ込むのを遮断、破裂するのを予防します。治療・根治が難しいとされ、手術には高度な技術が要求される、ワイドネック分岐部脳動脈瘤の治療に対応します。
従来の治療法では、多数の塞栓コイル(細長いひも状の金属)を入れて瘤を閉塞し、位置を固定するために血管内へ複数の留置機器が必要なこともありました。
WEBは1つのデバイスで治療を完結することができ、手術時間も短縮することができます。この治療は、ステント併用コイル塞栓術のように抗血小板剤を飲み続ける必要がないことも利点です。
すでに全世界で1万件以上の使用実績があり、ようやく日本にも導入されるようになりました。当院でもこの治療を導入して良好な結果を出しています。
ステント併用コイル塞栓術ではおこなうことができなかった、急性期くも膜下出血治療にも使うことができますし、ステント併用の治療同様に未破裂の動脈瘤に対する使用も可能です。
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