診療案内

脊髄刺激療法(SCS)

脊髄刺激療法(SCS)とは、脊髄に微弱な電気刺激を与えることで痛みをやわらげる治療法です。

痛み刺激は末梢神経から脊髄を介して脳へ伝わり、初めて「痛い」と認識されます。しかし、同じ刺激であっても、痛みが増幅されたり、抑制されたりすることが知られており、「脊髄には、脳への痛みの伝達をコントロールするゲートがある」というゲートコントロール理論が提唱されました。

*この性質を利用し、脊髄に微弱な電気を与えて痛みの伝達を和らげようと開発されたのが脊髄刺激療法です

効果が期待できる痛み

神経の異常や障害、血流障害
などによる慢性の痛み

  • 腰の手術後の治らない痛み
  • CRPS(複合性局所疼痛症候群)
  • 帯状疱疹後神経痛
  • 末梢血管障害による痛み
  • 脳卒中後の痛み
  • 脊柱管狭窄症の痛み
  • パーキンソン病における腰下肢痛
  • 脊髄損傷による痛み
  • 閉塞性動脈硬化症による痛み

脊髄刺激療法(SCS)について

脊髄刺激療法では、難治性疼痛に対する治療を行います。難治性疼痛とは、通常の痛みは3か月以内に軽快するが、3か月で軽快しない痛みのことを言います。

脊髄刺激療法の適応疾患は、神経障害性疼痛、虚血性疼痛です。主な痛みに、脳卒中後疼痛、腰椎術後症候群、複合性局所疼痛症候群(CRPS)、帯状疱疹後神経痛、脊柱管狭窄症、パーキンソン病における腰下肢痛、脊髄損傷、閉塞性動脈硬化症などがあります。

慢性疼痛治療は十分にリハビリテーション・薬物療法を行うことが重要であり、整形外科・血管外科的治療も検討すべきです。それでも疼痛治療困難な場合には脊髄刺激療法の適応となります。また整形外科・血管外科の手術に耐えられないときにも脊髄刺激療法の適応となります。

脊髄刺激療法の効果が
高い主な理由

  1. ①  痛み信号は脊髄を通って脳に達する。
    痛み信号を違う信号に置き換える。
  2. ②  強い血管拡張作用があり、血流が改善し組織が回復しやすい
治療法

この脊髄刺激療法は、40年以上前から実施されており、世界では35万人以上、日本では6,000人以上が行なっている治療法で保険適用となっています。治療法は、硬膜外にリードを入れペースメーカーのような神経刺激装置(IPS)を植え込み、あとは患者さん自身でコントロールします。手術時間については、まずリードだけを入れる「お試し」という方法であれば、うつ伏せで背部に局所麻酔を用いて、30分前後で終了します。「お試し」で痛みの緩和効果を認め、治療継続を希望された場合には、リードの植え込みと刺激装置の植え込みが必要になります。手術時間は1~2時間です。

よくあるご質問
電気刺激をした時の反応はどのようなものですか。
マッサージみたいなものが来ますよとお話しています。普通の方であれば「きたきたきた」と反応してくださいます。鈍いなという人には、少しずつ時間をかけて徐々に強さを上げていきます。すると「何かきた、何かきた」と言ってくださいます。1番いいパターンは「これはすごく気持ちがいいですね」とおっしゃる方がいます。そういう方は術後も良好です。
「お試し」をしてからの観察期間はどれくらいですか。
1~2週間の「お試し」後は約1ヶ月以上の経過観察の期間をもうけています。

脊髄刺激療法に使用する機材例

脊髄刺激療法に使用する機材例1

リード位置確認

脊髄刺激療法に使用する機材例2

500例を超える脊髄刺激療法関連の手術経験

松下 至誠
松下 至誠(まつした しせい)

最終学歴・職歴 平成16年3月 昭和大学 医学部 卒業
平成16年4月 八戸市立市民病院
初期研修・外科研修
平成19年4月 福岡和白病院 麻酔科
平成22年5月 貝塚病院麻酔科 麻酔科 部長 脊髄刺激療法開始
平成31年4月 福岡脳神経外科病院 慢性疼痛治療科 部長 認定医・専門医の資格 麻酔科専門医 日本慢性疼痛学会専門医
緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了 専門分野 脊髄刺激療法 慢性疼痛治療 手術麻酔

脊髄刺激療法関連の手術経験

脳卒中後疼痛 腰椎術後症候群 複合性局所疼痛症候群(CRPS) 帯状疱疹後神経痛 脊柱管狭窄症 
パーキンソン病における腰下肢痛 脊髄損傷 など

脊髄刺激装置植え込み術
インストラクター経験

札幌心臓血管クリニック(北海道)

八戸平和病院(青森県)

一宮西病院(愛知県)

蒼龍会井上病院(大阪府)

広島市民病院(広島県)

いずみの病院(高知県)

小倉記念病院(福岡県)

九州中央病院(福岡県)

原三信病院(福岡県)

詫麻台病院(熊本県)

大分大学病院(大分県)

巻港クリニック(沖縄県)

文献・学会発表(脊髄刺激療法関連)

文献①  
脊髄刺激療法の疼痛患者脳に与える影響

Multi-channel NIRS(near-infrared spectroscopy)による脳活動の検討
慢性疼痛 第33巻 第1号

文献②  
難治性疼痛への多角的治療―脊髄刺激療法と漢方薬治療の併用―

痛みと漢方 Vol.26(2016)

文献③  
脊髄刺激療法による血流改善の客観的評価(レーザー血流計を用いて)

慢性疼痛 第37巻 第1号

日本麻酔科学会

難治性痛早期の患者に対する脊髄刺激療法(2015)
麻酔科中心の在宅医療:手術麻酔のマンパワーup(2016)

日本ペインクリニック学会

脊髄刺激療法ランチョンセミナー(2013 2014)
脊髄刺激装置の比較(OMG connector™の使用経験)(2015)
ヘモグロビン濃度変化が脊髄刺激療法の効果判定に有用(2017)

日本定位機能神経外科学会

脊髄刺激療法ランチョンセミナー(2016)
脊髄刺激療法イブニングセミナー(2015)
脊髄刺激療法と経頭蓋磁気刺激療法の併用(2016)

日本アロマセラピー学会

芳香療法(深呼吸)と疼痛治療(2016)

その他 学会発表

日本慢性疼痛学会 日本緩和医療学会 日本ニューロモデュレーション学会 等で多数発表

脊髄刺激療法の海外研修

バレンシア サンディエゴ

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土曜

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診療科目
脳神経外科、神経内科、
リハビリテーション科
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